女性の多くが悩んでいる頭痛。原因と対処法

こんにちは。鍼灸師の関屋です。
今回は頭痛について書いていきます。

目次

どれだけの人が頭痛に悩んでいるのか

頭痛でお悩みの方は多いかと思います。前回の腰痛に引き続き『2019年国民生活基本調査』によれば、1000人当たり、男性は約22人、女性は約51人が頭痛を訴えています(複数回答)。女性はとくに多く、20人に1人は頭痛を抱えていることになります。なお頭痛は女性の訴え5位です。下のグラフは日本の政府統計(e-Stat)の2019年版の有訴者数のデータ(複数回答)をもとに作成したものです。頭痛は20~50代の女性に多いことがわかります。

頭痛といってもさまざま。どんな頭痛があるのか

さて、そんな頭痛ですが、軽いものから生活に支障をきたすもの、命の危険があるものまであります。
頭痛は大きく2つに分類されます。一次性頭痛と二次性頭痛です。
一次性頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛(群発頭痛、発作性片側頭痛など)があります。普段多くの人が抱えている頭痛はこの一次性頭痛に分類されるもので、命にかかわるような頭痛ではないですが、痛みが強い場合には日常生活に影響を与えます。
二次性頭痛には、くも膜下出血、脳腫瘍、脊髄炎、外傷による脳出血、副鼻腔炎などがあります。こちらには命にかかわるような頭痛が含まれていることがあり、早急に医療機関を受診する必要があります。
頭痛の原因となる病気がないものを一次性頭痛と言い、痛みを引き起こし原因となる病気が特定できる頭痛を二次性頭痛と言います。二次性頭痛が否定されてはじめて一次性頭痛と診断されます。
ではまずどんな時に二次性頭痛が疑われるかを述べます。

こんな時は早急に医療機関を受診

  1. 突然発症の頭痛(大抵は痛みが1分以内にピークに達する)
  2. どんどん痛みが悪化する頭痛
  3. 今までに経験したことがない人生最悪の頭痛
  4. いつもと様子の異なる頭痛
  5. 50歳以降に初発の頭痛
  6. 発熱や痙攣などの全身症状を伴う頭痛
  7. 手足にマヒがある、ろれつが回らない頭痛
  8. 意識を失ってしまうのなどの症状を伴う頭痛
  9. 首が痛い、首が硬くなる頭痛
  10. 最近頭を打ったなど外傷歴がある頭痛
  11. 癌や免疫不全がある方の頭痛
  12. 妊娠中の頭痛

以上のような場合には様子を見るのではなく、早急に医療機関を受診しましょう。くも膜下出血の場合は、兎にも角にも早く見つけて対応することが重要です。

一次性頭痛で多い片頭痛と緊張性頭痛

次に一次性頭痛について述べていきます。ここでは一次性頭痛のなかで多い片頭痛と緊張型頭痛について説明します。

片頭痛

片頭痛は、名称から言って片側だけの痛みかと思いきや、30%は両側が痛むことがあります。痛みが4~72時間続き、脈を打つようにズキンズキンと痛みます。吐き気や嘔吐を伴うことがあり、光や音に対して過敏になって不快に感じ、日常生活を送ることが困難になります。

また片頭痛が起きる前に体調の変化や前兆が出る場合があります。
体調の変化は頭痛の数時間から2日前に出ることが多く、症状としては、あくび・多幸感・落ち込み・イライラ・食欲不振・集中困難・肩こりなどがあります。
前兆は5分から20分かけて頭痛の起こる直前に出現する症状です。前兆として有名なのは閃輝暗点というもので、突然視界の真ん中あたりにキラキラした点が現れ、ギザギザした光の波が広がって、見えない部分が生じる症状です。他には体の一部にチクチクした感覚が現れ、半身や顔面、舌に波及したり、逆に感覚が鈍くなるようなことがあったりします。

片頭痛がどのようにして痛みが起こっているのか原因は確定していません。今のところ一番有力な説は、何らかの刺激が三叉神経(脳から頭、顔面に出ている神経)を刺激し、脳の血管を拡げたり、炎症を引き起こしたりする物質が出て、痛みが生じているのではないかというものです。

片頭痛は様々なものが誘因になります。天候の変化、強い光、騒音、飮食(アルコール、チョコレート、ナッツ類、チーズなど)、睡眠リズム、ダイエット、ストレスからの解放、月経、閉経などです。

緊張型頭痛

一次性頭痛のなかで一番多いのが緊張型頭痛です。後頭部、こめかみ、額を中心に頭重感や締め付けられるように痛みがあります。片頭痛と違って日常生活に支障をきたすことは少ないです。

緊張型頭痛は首や肩周りの筋肉の緊張が主な原因です。長時間のデスクワーク、パソコン作業、運転などで首、肩がこり、緊張型頭痛を引き起こすということが多いです。

また片頭痛と緊張型頭痛が混ざっている混合型頭痛という場合もあります。

予防・対処法

片頭痛

  • 自分がどういった場合に片頭痛が起こりやすいかを知っておく(頭痛日記)
  • 片頭痛の原因となりうるものをできる限り避ける
  • 片頭痛の予兆、前兆時に薬を服用する(医師の指示に従ってください)
  • ライフスタイルの改善(生活リズムを一定にする・適度な運動)
  • 片頭痛が起きているときは、暗く、静かなところで安静にする

とくに薬を服用する場合は医師の指示に従ってください。月に10回以上薬を服用している場合は薬物乱用頭痛の可能性があります。必ず医師に相談してください。

緊張型頭痛

基本的に首、肩周りの筋肉の緊張を緩和させ、血行をよくすることが重要になります。姿勢を正して、長時間同じ姿勢を続けることは避けましょう。

片頭痛・緊張型頭痛に共通する予防法

片頭痛にしても、緊張型頭痛にしても普段から首、肩まわりの筋肉を緩めておくことが大切です。
そのためのストレッチとしましては、肩こりのブログにある肩甲骨を意識した運動がおすすめです。また腰痛のブログにある背中の曲げ伸ばしの運動も首、肩、背中の筋肉を緩めるのに効果的です。ぜひ参考にしてください。
ただし片頭痛が起こっているときには、悪化の恐れがありますので、運動は避けてください。

ここでは頭痛に対してよく用いるツボをご紹介したいと思います。

天柱・風池・完骨

首肩こり、頭痛、眼精疲労、鼻づまりによく使います。
これらのツボは頭の後ろの髪の生え際に並んでいます。点で捉えようとせずに、この辺りを押さえてみて、こっているところ、痛気持ちいいところを中心に押しましょう。親指あるいは中指で押してください。あるいは円を描くように押さえても効果的です。

合谷

首肩こり、頭痛だけでなく、歯痛にもよく使います。
場所は手の甲の、親指と人差し指の骨の交わるところから少し人差し指側の凹んだところです。親指と人差し指の骨の交わったところから人差し指に向かって押さえていって、痛気持ちいいところ、痛みが響くところを探してみてください。親指で押してください。

足臨泣

とくに片頭痛に使うツボです。足のむくみにも使います。
場所は足の甲の、足の小指と薬指の骨の間にあります。足の小指と薬指の付け根から足首に向かって押さえていって、痛気持ちいいところを探してみてください。親指で押してください。

ツボは3秒かけてゆっくり押し、3秒かけてゆっくり戻します。押す時には息を吐き、戻す時には息を吸います。これを3~5回繰り返します。

いかがでしたか。今回は頭痛を取り上げました。頭痛は女性に多いことから始まり、頭痛には命にかかわる危険なものがあり、そうしたものが疑われ、早急に医療機関を受診する場合を述べました。次に身近な頭痛の片頭痛と緊張型頭痛について説明し、その予防・対処法を述べました。皆様の頭痛の軽減・予防につながれば幸いです。

普段から首、肩こりに対してケアをしておくことが重要です。首、肩周りの筋肉がこっていると、頭へ通じる血管が圧迫され、血行が悪くなります。首、肩は頭へ通じる血流の要衝です。首、肩をケアしておくことが頭痛をはじめとした様々な病気、症状の予防になります。

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